まるわかり!『チェネレントラ』~水谷彰良さんによる作品解説 Vol.1『登場人物とあらすじ』

字幕付きのオペラは何も知らずに観始めても楽しめますが、あらかじめ内容を知っておくとさらに歓びが増すものです。そこで、日本ロッシーニ協会会長の水谷彰良さんによる作品解説をお届けします。おすすめDVDも紹介。全4回の作品解説にさらっと目を通すだけで、オペラ『チェネレントラ』がもっと楽しくなります!

ブライトコプフ&ヘルテル版全曲譜のタイトル頁(1825-26年。水谷彰良氏所蔵)

Vol.1 登場人物とあらすじ

題名:チェネレントラ(La Cenerentola)
作曲:ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini,1792-1868)
台本:ヤーコポ・フェッレッティ(Jacopo Ferretti,1784-1852)
初演:1817年1月25日 ローマ、ヴァッレ劇場

◆登場人物

アンジェリーナ(コントラルトまたはメッゾソプラノ)──男爵ドン・マニフィコの後妻の連れ子。男爵と腹違いの二人の姉からチェネレントラ(灰かぶり娘)と呼ばれる。
ドン・ラミーロ(テノール)──サレルノの王子。理想の花嫁を求めて身分を隠し、従者に扮している。
ドン・マニフィコ(バリトン)──モンテフィアスコーネ男爵。地位と金銭を夢見る零落貴族。
ダンディーニ(バリトン)──ドン・ラミーロの従者。王子に扮する。
クロリンダ(ソプラノ)──男爵の実の娘。
ティズベ(メッゾソプラノ)──男爵の実の娘。クロリンダの妹。
アリドーロ(バス)──哲学者で王子の教育係。物乞いに変装してアンジェリーナの善良さを確かめる。
ほかに貴婦人たち(黙役)、王子の家臣たち(男声合唱)

◆相関図

◆あらすじ

       

【第1幕】

チェネレントラ(灰かぶり娘)と呼ばれ、召使の扱いを受けるアンジェリーナは、物乞いの男(変装した王子の教育係アリドーロ)にパンとコーヒーを与えて二人の継姉に叱られる。そこに王子の従者たちが現れ、花嫁選びのため王宮に招待された継姉たちが有頂天になる。

誰もいない部屋。従者の姿をしたドン・ラミーロがアンジェリーナと出会い、互いに好意を抱く。王子の来訪が告げられ、家臣を連れた偽王子ダンディーニが男爵と二人の娘を舞踏会に招待する。アンジェリーナから連れて行ってほしいと懇願されたマニフィコは彼女を「召使」と説明するが、もう一人娘がいるはずと戸籍簿を示されて騒ぎになる。アリドーロはアンジェリーナを舞踏会に誘い、「神様はすべて見ておられる」と言って励ます。

ラミーロの宮殿の一室。偽王子から酒蔵係に任命されたマニフィコは大喜び。クロリンダティズベは偽王子の気を引こうとして媚を売るが、どちらか一人は従者の妻になると言われて不機嫌になる。ラッパの音が聞こえ、謎の淑女が到着する。その美しさにみな圧倒されるが、マニフィコと二人の娘は彼女がアンジェリーナにそっくりなので、わけが分からなくなる。

【第2幕】

マニフィコと二人の娘は謎の美女がアンジェリーナと瓜二つなのを不審がる。物陰に隠れたラミーロは、偽王子に言い寄られたアンジェリーナが従者への愛を告白するのを聞き、嬉しさのあまり飛び出す。だが彼女は「私の素性をお調べください」と言って腕輪の片方を渡し、姿を消す。ラミーロはダンディーニに偽王子の役目は終わりと告げ、彼女を探し出そうと決意する。ダンディーニから「自分はただの召使です」と言われたマニフィコが動転し、アリドーロはすべて思いどおりに運んでいると満足する。

屋敷に戻ったマニフィコが娘たちに怒りをぶつけていると、不意に嵐が通り過ぎる。そこに馬車が転覆したダンディーニとラミーロが現れ、アンジェリーナと再会した王子は彼女に腕輪の片方を認める。二人は互いの正体を知って喜ぶが、事態をのみこめぬ男爵と継姉がアンジェリーナを叱るので、ラミーロは彼女を連れ去る。

玉座のある広間。人々が善良さの勝利を称えると、アンジェリーナは自分につらく当たった父と姉たちを許し、王妃となる喜びを高らかに歌う。

       

Vol.2『解説』に続く

     
     

より詳しい解説は日本ロッシーニ協会のホームページ

公演の詳細はフェスティバルホール

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